右側:代表取締役社長 米倉 裕之さん
左側:アナリティクス・ソリューション部次長 烏谷正彦さん

5000万人分の購買履歴データをもとに、クライアントに的確なマーケティングソリューションを提供する株式会社True Data。100億件にもおよぶ超巨大なビッグデータから価値ある真実を導き出すために、日々増え続けるデータと同社はいかにして向き合っているのか。私たちの「買う」という行為に潜む真実を見つけ出そうと試行錯誤する、ビッグデータ分析の最前線に迫りました。

生活者の真の姿をもとめて

- まずは、取り組まれている事業について教えてください。

米倉さん:私たちは、日本最大規模である延べ 5000 万人分の膨大な購買履歴データをもとに、小売業様、そしてメーカー様などへ、マーケティングソリューションを提供しています。
私たちの運用する購買履歴データとは、ポイントカードにひもづきリアルタイムに収集される ID-POS データなのですが、これは、POS データの持つ「何が」「いつ」「いくらで」「いくつ」売れたのかという情報に加えて、「誰に」売れたのかまでを知ることができるものです。「誰に」といっても、もちろんそれは個人を特定できるという意味ではなく「同じIDを持つひとがこの商品とこの商品を買っている」「このIDを持つひとは昨日まで買っていたAという商品をやめてBに乗り換えている」というような、より詳細な購買の状況がわかる、ということです。

- 実際に「買った」という事実を扱うため、より真に迫った分析ができる、と。

米倉さん:そうです。メーカー別、ブランド別、商品別の購買動向だけでなく「リピート状況」や「併売状況」「スイッチング状況」などまでを把握できるので、クライアント様に対しては「何を仕入れ、どのように販売すべきか?」「どんな商品を開発・投入すべきか?」といった疑問に応える価値の高い情報を提供することができています。
ただし、超巨大なビッグデータの中から、価値のある、意味のあるデータを抽出するのは簡単ではありません。そのため私たちは、日本最大規模の購買ビッグデータと、それぞれの目的に応じた分析ツール、そして経験豊富なコンサルタントの、3つの力を組み合わせて、「True Data(価値ある真実)」を提供できるようにしています。

増大するデータに悩まされた日々とクラウドの出現

- 5000万人分の購買データとなると、想像を絶する量になりそうですね…

烏谷さん:(システムの管理画面を見ながら)先月は153TB分のデータを回したみたいですね(笑)
ただ、普段の業務の中でデータの大きさを意識することはあまりなくて、それこそ今のように、管理画面を見た時に「これだけ回していたのか」と思う程度です。
もちろん、いまでこそ、データの大きさを意識することはなくなりましたが、以前はそうではありませんでした。2000年の創業時から、オンプレミスの社内システムで業務にあたっていたのですが、日毎に増えていくデータがあまりにも大きくなりすぎたため、とにかく何をするにも時間がかかっていました。
仮設と検証を繰り返す「分析」という仕事では、何よりも処理のスピードが重要です。アナリストの思考を中断せずに検証結果を得られること。当時のシステムも悪いものではなかったのですが、この点をどうにか克服したいとシステムの移行を検討し始めました。

- やはりオンプレミスで検討されたのでしょうか?

烏谷さん:はい、当初はオンプレミスでの開発を想定していました。ただ、オンプレミスで超巨大なデータを、私たちの求めるパフォーマンスで処理しようとすると、どうしても難しい点がいくつか出てきました。そこで「つくる」のではなく「つかう」発想で、サービスの選定をしたところ、出会ったのが Google の BigQuery と、グルーヴノーツの BLOCKS でした。

その処理、5分で終わります。

- 何時間もかかっていた処理が5分で終わると?

烏谷さん:素直に信じられない気持ちはありました(笑)
これまでの苦労を知る社内のメンバーも、それが一度に解決するなんてとても思えなかったようです。
しかし実際にデータを回してみると、それは圧倒的な速さで、今までのシステムの10倍以上は軽く出ていると思いました。実は、これまでのシステムでは処理に時間がかかりすぎるため、分析対象とするデータをある程度まで絞り込むようにしていたのですが、BigQuery では、データの大きさを気にせず、1つの箱に放り込んでおけるので、作業効率は劇的に改善しました。それに加えて、これまで対応できなかったような、大量のデータを分析対象としなくてはならないクライアントさまからの要望にもお応えできるようになりました。

自分たちの手で手軽にシステムを改善できる醍醐味

- 社内の方々は新システムにスムーズに馴染めましたか?

烏谷さん:はい、ここで一役買ってくれたのが、グルーヴノーツの BLOCKSです。BigQuery は、アナリストならともかく、そうではない業務を担当するメンバーには敷居の高いものでした。しかし、あらかじめ用意されたブロックを組み合わせるだけで自分のやりたい処理やデータの流れをデザインできる BLOCKS を使うことで、エンジニアじゃなくても、複雑な分析を簡単に実行することができるようになりました。これだけ簡単にできるなら、最終的には、営業チームも含めたすべてのスタッフがデータを分析できるようになろう、というのが今の目標です。

- ブロックの組み合わせ方を変えるだけでシステムを作れる?

烏谷さん:実は、ここが BLOCKS の最も大きな恩恵をうけていることの1つです。これまでは、システムの小さな改善もすべてベンダーさんにお願いしていたのですが、どうしてもこちらの意図を伝えるためのコミュニケーションに時間がかかりすぎたり、改善するための費用が発生したりと、そういったコストがネックになっていました。BLOCKS では、ブロックの並び順や種類を少し変更するだけで思い通りのシステムを作れるので、システムエンジニアでなくても、自分たちで手軽に改善することができます。データの処理速度だけでなく、運用面でも圧倒的なスピードを手に入れたと感じています。
ただし、今はまだ社内でアナリストがコンサルティング業務に利用する分の、データ分析基盤構築が完了したところで、今後は、その他の分析基盤にも適用範囲を拡大していきたいと考えています。

やるべきこと「だけ」に集中できる環境づくり

- あらたなシステムを導入して最も良かったと感じる点は?

米倉さん:いままでお話したように、データの処理速度や運用、改善の手軽さはもちろん実感しています。ただそれ以上に良かったのは、システムに関して「つくる」から「つかう」にシフトできたことです。私たちのミッションは、5000万人分の購買履歴データを分析することで見えてくる情報の価値を最大化することであって、システムを開発すること自体ではありません。私たちの創る価値を、より多くの方に、よりスピーディーに提供するためには、自分たちが本分だと決めた事以外に割く時間は、極力少なくしていきたい。そういった意味で、今回 Google の BigQuery と、グルーヴノーツの BLOCKS に出会えたことは幸運でした。自分たちがやるべきことだけに打ち込める環境を作ることで、創造的にもなれるし、またそれが独自性、すなわち競争力につながっていく。

- 今後の展開についておしえてください。

米倉さん:私たちが目指すのは「データの民主化」です。今、ビッグデータ活用に、多くの企業が多額の投資を行っていますが、それは大企業の話で、そこまでの取り組みができている中小企業は殆どないと言っても良いと思います。

「今誰がどんな商品を買っているのか?」「どんな商品がマーケットに望まれているのか?」「どの時期にどの製品を仕入れれば良いのか?」
そういった情報を、喉から手が出るほど欲しがっている中小企業はたくさんいるはずですが、まだ全員の手元にデータが行き届く状況にはなっていない。購買データというのは、私たちみんなの行動の記録であって、本来は誰のものでもないはずです。だからこそ、これを広く開かれたものにしていきたい。誰でも手に入れられるようにしていきたい。
先ほどの話ではないですが、私たちの本分は、データの価値を最大化してクライアントに届けることです。つまり、小売業様、メーカー様に加え、金融・保険、広告など、様々な業種の方々には、存分に私たちのデータを「つかって」もらうことで、それぞれの本分がある領域に投じる時間を最大化していただきたい。
私たちも、購買ビッグデータをより多くの方々にお届けできるよう、そのフィールドを一層拡大して行きますので、それによって、みなさまと共栄できる未来をつくりたいと考えています。